正しくない祈り
a wrong prayer
僕は
まるっきり正しくない人間だが
「自分は正しい」と思って疑問の無い人々に対して
少しだけ羨ましいと思いはすれど
大きな敬意は持てない
誰だって
自分のことを罪だとか悪だとかの側とは思えない
人間が自分を良い存在だと思いたいその欲求は
驚くほど強烈だ
罪悪感ほど強い痛みはない
あなたは
「自分は悪い」と心から感じたことがあるか?
生半可な反省や後悔の話をしてるんじゃない
自分という存在そのものを
根底から悪だと思ったことがあるか?
と訊いているんだ
あるか?ないか?
と訊いているんだ
まだまともに痛みも知らないような子どもが
誠意や、真理を、語るんじゃない
成熟や、透徹や、永遠を、語る資格はない
普遍や、信義や、善意や、公正には、口を閉ざせ
いいか
その口を閉じろ
Amen.


